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寛容のパラドックス

がっちゃん放言記

2024年3月6日

寛容のパラドックス

日本の社会は最近益々不寛容社会になってきました。

自分の主義・信条と合わない言動を取る他人を異常に叩いたり、批判したり、さらに人格の否定までする人が増えてきました。また相手を論破することのみを目的として物事の一側面のみを殊更に強調したり、完全無欠な無謬性を要求するなど、攻撃的な態度で他人に接する人が増え、数多くの紛争が発生し、紛争を回避するために厳格で間抜けな規則が作られ、結果として柔軟な対応が不可能となり、社会の硬直化と萎縮に伴う経済活動の縮小という不利益を被るようになっています。

日本の社会が不寛容になった原因は、マスメディアの不寛容な態度やSNSの急速な発展がその背景にあると思われます。SNSにおける炎上や誹謗中傷が特に問題となっていますが、SNSの他にもビジネスの場ではカスタマーハラスメントをはじめ、社内外を含めて多くのハラスメントが増加しており、企業がクレーマー対策を行う必要性が生じています。不寛容な人が行う過激な行動は突き詰めれば自己中心的な怒りでしかなく、社会に対して、本来は不要なコストを強要するものであり、社会の効率化を大きく低下させるものであり、有害そのものです。

哲学者カール・ポパーがナチスから逃亡中に気づいたと言われる次の言葉があります。

「真に寛容な社会を実現するには、不寛容を容認することはできません。」

これは、寛容のパラドックスと言われるもので、三段論法で言うと、①寛容な社会は不寛容も容認する。②不寛容な人は、他の立場の人を排斥するはずだ。③従って、寛容な社会では不寛容な人しか残らなくなる。最近の日本の社会が正にこれです。

元々日本の社会は穏健で、攻撃的な西洋の社会に比べて寛容な社会でした。

カール・ポパー説によると、日本の社会は寛容であるがゆえに不寛容な人が増え、行き過ぎた不寛容な社会になったと考えられます。不寛容な人に対して不寛容にならないと、寛容で住みやすい日本の社会を取り戻すことができません。

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この記事の著者

税理士 緒方 芳伸

35年間ずっと試行錯誤しながらやってきました。
35年間税理士事務所・会計事務所を経営して出した結論は、税務と会計を徹底して追求することでした。
今は、本業を徹底することが、経営理念を達成できる一番の近道だと考えています。

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